安田記念後の関係者コメント

レース考察

安田記念後の関係者コメント

G1馬が10頭、G1歴代最高8冠を狙うアーモンドアイの出場と、豪華でマイルでは最高レベルのレースとなった。荒れることが多い安田記念。今年は馬場さえ良馬場なら流石に荒れないレースとなると予想した。

そんな中でやはりアーモンドアイが色々と中心のレースになった。前日の天気(大雨)、ローテーションは大丈夫か等の不安があったが最終的には
断トツの1番人気。
民放、BS各局の解説者も問題ないと太鼓判を押し人気を後押しした。しかし結果は出遅れて終始バタバタな感じで2着が精一杯だった。


そして勝利したのが藤沢厩舎、池添騎手の3番人気馬グランアレグリア。レース前は予定していたビクトリアマイルを熱発で出られなかった。
しかも今までは牡馬がいるG1は未勝利となかなかアーモンドアイを負かすまでは考え難かった。

グランアレグリアの勝因とコメント

(藤沢調教師)
「アーモンドアイ含めてたくさんGIを勝っている馬がいて大変だと思っていましたが、スタートも良く、上手にレースをして頑張ってくれました。中団あたりから手応え良く進めて、4コーナーでは安心して見ていられました。デビューから50kg近く馬体も増えて良い馬になってきています。ただ、穏やかになっているとはいえ、難しいところもあるので間隔を空けつつ使っていくことになると思います」

(池添騎手)
「道中は折り合いに気を付けて進めていこうと思っていました。良いリズムの中で、あの位置になり、あとはタイミング一つだと思っていました。有力馬が後ろにいると感じていましたが、自信を持って動かして行き、そこからしっかり反応して、直線抜け出してからもしっかり踏ん張ってくれました。必死で追っていましたから、どれくらい差がついているのか分かりませんでしたし、後ろから来るのかヒヤヒヤでしたし、アーモンドアイは来ると思っていましたが、最後までしのいでくれて、グランアレグリアが頑張ってくれました。」

グランアレグリア・見解

いろいろな競馬関係者、元騎手の言葉にも多く見られるのが、この3つ。
・池添騎手の完璧な騎乗
・馬自身の成長
・藤沢厩舎の完璧な仕上げ

でも池添騎手の騎乗には藤田元騎手、伊藤正徳元調教師を始め大絶賛であった。この勝利は最高の騎乗をした池添騎手、池添騎手を起用し最高の仕上げをした藤沢調教師、そして精神的にも肉体的にも成長したグランアレグリア。全ての要因が重なって得た勝利だと改めて思う。
秋は強くなったグランアレグリアがどのレースに出るのかが非常に注目だが今回の勝利で主役の一角になっていく事は間違いない。是非ともこのまま池添騎手が主戦になって戦って欲しい。

アーモンドアイの敗因コメントと見解

(ルメール騎手)
「スタートは良くなかったのですが、道中はスムーズでした。勝ち馬の後ろから行って、直線追い出しましたが、いつものような脚ではありませんでした。コンディションは良かったのですが...」

(国枝調教師)
「表向きは何もなくても、短い期間で競馬を使った影響があったのかな。相手(グランアレグリア)も強かったとはいえ、捕らえられると思ったが、反応がひと息でインディチャンプをようやくかわした程度。(稍重の)馬場は影響なかったと思う。JC(2018年=1着)の時もそうだったけど、ゲートでフッと気持ちが上がる時があって、それで出遅れてしまう。今日も昨年ほどではなかったが、それでもね…」。

アーモンドアイ・見解

当初、ビクトリアマイルを解消後にアーモンドアイが安田記念に出走する事に驚いた。何故?宝塚記念じゃないのか?と思った人も多かったはず。出走に至る経緯を考えられる事、公式ではないが情報で出ている事を纏める。

・東京コースが得意だから(これは間違いない)
・前走が思った以上に強い競馬だったし馬にダメージがないと判断
・ルメール騎手の強い要望があった(これは公式ではない)

以上の経緯が今回の安田記念出走に大きく影響したのではないかと思う。そして、敗因は様々なことをコメントで残している。

・中2週がやはりキツかったのかも(国枝調教師)
・道悪の影響(伊藤正徳元調教師、他)
・いつもの彼女じゃなかった(ルメール騎手)
・スタートで出遅れた

けれどもまともに出ても勝った馬に勝てたかはわからない。以上の事を踏まえると、個人的には安田記念出走自体がリスキーだったと思う。予想では勿論、絶対的な力的にも不安はあれど本命に推した。しかし結果、ビクトリアマイルで完勝したノームコアよりも上りのタイムは遅く詰め寄られている。勝った馬は強い。それは間違いないが2馬身半差は負け過ぎだ。そしてノームコアには4着ながらもアーモンドアイは迫られた。

結局、道悪やスタートじゃなく中2週の日程が原因だと思う。

これがアーモンドアイにとってマイナスの分岐点にならないように願う。

その他の馬のコメント

3着 インディチャンプ(福永騎手)
「ゲート内で隣の馬が突進した影響もあってスタートは良くありませんでした。その後はリズム良くいい形でレースができました。勝ち馬に並ぶところまで行ったのですが、勝ち馬は最後まで止まりませんでした。緩い馬場でしたが、気にせず上手く立ち回っています」

4着 ノームコア(横山典騎手)
「馬はよく頑張っていると思います。まだまだこの先良くなりそうな馬です」

5着 ケイアイノーテック(津村騎手)
「やりたいレースはできました。前半はゆっくり進めて、後半一気にスピードアップして長く脚を使いました。一旦勝ち馬に並んで見せ場を作れました。久々にこの馬の良い競馬をしてくれました」

8着 ダノンスマッシュ(三浦騎手)
「リズム良くレースを進めることができました。最後の300mで甘くなりましたが、距離が少し長い分もあったかもしれません」

13着 ダノンプレミアム(レーン騎手)
「馬場の内側が傷んでいて、そこを気にしていました。チークピーシーズを付けて、手応えは良かったのですが、残り500mぐらいのところで、馬場に脚を取られてしまいました。昨日の雨がこの馬には痛かったです」

安田記念のまとめ

今回の安田記念では負けてもアーモンドアイに焦点が当てられた。「競馬に絶対はない」という事をあらためて思い知らされた。

競馬は馬券を買うお客だけでなく、馬主、厩舎、ジョッキー等様々な所にも多額の賞金が入る。という事を忘れてはならいとも思った。大きなお金が動くだけに誰かの強い意志意見で最良の選択が出来ず意図してない結果になる事も多いに考えられる。もし自分がインディチャンプの一口馬主であったなら、「何で同じ会社の馬が出てくるんだよ、宝塚いけよ!」と思っただろう。でも会員で数口持ってるだけなら勿論意見は言えないし通らない。もし自分がアーモンドアイの一口馬主であったなら、「ローテーションが不安だよ、宝塚にいけよ」と不安に思っただろう。

数年前に自身が一口馬主であったので気持ちはよくわかる。(今度記事に書きます)
しかし実際にはオーナー、調教師、ジョッキーの誰かの意見が通り易い環境なら今回のような事は起こり得ると実感している。そんなグレーな気分になった安田記念だった。
今回はまた勉強になるレースだった。馬券は当たったが予想は外れた。(1000円弱の儲け)

でも、今後には生きてくると思う。そして全馬無事にゴールできた事を先ずは本当に良かったと思っている。

最後に、池添騎手には外国人騎手に絶対に主戦の座を渡さないで欲しいと心から願っている。

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